【ロードバイク・機材】元自動車設計エンジニアが語る、あなたがディスクブレーキに買い替えるべきたった1つの理由

ロードバイクって電動化やエアロ等の技術の進化はすごいのに、ブレーキシステムは時代遅れのリムブレーキが主流のままなんですよね。

リムブレーキなんて自動車設計エンジニアの目線から見たら、過去の技術云々の以前に安全面でオワコンですよ!

世間ではやれ重量が~、メンテが~とネガティブな面がクローズアップされますが、あなたがシリアスレーサーではなくて、ツーリングに行くことが多いのであれば、なるだけ早くディスクブレーキのロードバイクに乗り換えましょう!

それでは元自動車設計エンジニアから見たリムブレーキが終わってると思うその理由を語ります。

それはズバリ、ロバスト性(安定性)です。

ロバスト性って?

自動車業界ではよくロバスト性という単語が使われます。

これは外乱感受性と言って、システム外からの入力に対してどれだけ安定しているか?という意味です。

ちょっとわかりにくいと思いますので、具体的にリムブレーキシステムでのロバスト性が低い事例を挙げてみたいと思います。

  • 雨や熱で性能が変わる→天候という外乱によってシステムが影響を受ける
  • ホイールの材質によって制動が変わる→システム外の機材選択という外乱によってシステムが影響を受ける
  • 下りのブレーキでカーボンリムが熱変形しブレーキが利かなくなる→システム外の機材選択という外乱によってシステムが影響を受ける
  • カーボンリムでチューブがラテックスだと熱でパンクする→システム外の機材選択という外乱によってシステムが影響を受ける

いかがでしょう?

リムブレーキシステムは外乱に対して非常に不安定なシステムなのがお判りいただけたと思います。

ロバスト性が低いシステムの危険性

乗り物はあなたの命を乗せて走ります。

自動車メーカーは、命に関わる走る、曲がる、止まる機能に関しては安全性の優先度を最も高く設定するのです。

そしてそこに関わるシステムはロバスト性のより高いものを選択していきます。

ですが、ロードバイクはどうでしょう?

走る、曲がるに関してのロバスト性で言うと、クリンチャーのパンクによる落車リスクや、ディープホイールの横風に対する安定性もありますが、止まる機能に関してはとても命を乗せて走るレベルにはないと考えています。

なので私は、雨の日でも制動力が変化しづらい溝付きのリム(エグザリットリムやPEOリム)を使用し、山岳ツーリングではカーボンホイールの使用をやめました。

誰が乗っても、どんなときでも安定したシステム。これが命を乗せて走る乗り物に求められる機能です。

元々、シティサイクルのような低速域で使う乗り物にはリムブレーキでもシステムとして安定してるかもしれません。

しかし、ロードバイクの速度域になると、システムとして止まる機能が担保されていないのです。

なぜロバスト性が疎かになるのか?

これはロードバイクが部品の集合体であり、完成車一台分でマネージメントされた開発をされていないからだと考えています。

最近ではエアロ機能を特化させるために、ようやくフレームメーカーが完成車1台分で性能を開発し、部品もシステム単位で専用設計される流れになってきましたが、あくまでフレームメーカー視点(部品視点)であり、乗り物メーカーというコンプライアンスは持っていないのが現状だと私は考えています。

そして、ロードバイクは完成車で買うというよりはユーザーが自由にセットアップを組み替えるものであり、システム選択自体もユーザーに任されてしまうという背景が影響しています。

また、レース機材という位置づけもあり、レースレギュレーションに合わないからシステムを変えられない、というしがらみもあります。(これに関してはようやく変わってきました)

ユーザー目線でロバスト性の高いシステム選択を

昨今、ロードバイクはレース機材というよりも、日常のレジャーユースとしての位置づけが大きい乗り物ではないでしょうか?

  • グランフォンドやツーリングイベント等で雨が降って、止まれなくなって追突落車
  • 夏休みに山岳ツーリングにいって、山の下りでカーボンリムが変形してブレーキが利かなくなって、オーバーランして対向車と衝突

こんなことは大いに考えられます。

私の失敗談ですが、山岳ツーリングの下りでカーボンリムが熱変形し、ブレーキが変摩耗、そのままフロントブレーキが機能しなくなり、あわや事故寸前でした。

他にも、雨のレースで止まり切れずにオーバーランしてコースアウトしました。コースアウトした先が壁や崖だったらと思うとゾッとします。

今まで、玄人の方達は経験則でそれを避けるようなセットアップだったり使い方をしてきました。

しかし、ロードバイク人口の裾野が広がってきた今、そういった文化はもう終わりにして、システムとして優位なディスクブレーキを主流とする風潮ができてもよいのではないでしょうか。

  • メーカーがリムブレーキ仕様を出さない。
  • レギュレーションでリムブレーキ仕様を禁止する。

こういったことはビジネス目線、ユーザー目線からみても軋轢を生むだけですので不可能でしょう。

ユーザー側からの”安全を考えたらディスクブレーキがいいよね”というような文化作りからマーケットを巻き込んでいく必要があると私は思っています。

その他の恩恵

まず、エアロ化がより特化できます。

また、リムがすり減らなくなるのでデザインにも幅が出ます。

そして、リムの熱害がなくなるので、ラテックスチューブ+カーボンクリンチャーという禁断のセットアップが可能になります。

カーボンの軽量リムでラテックスを使おうとするとチューブラー一択でしたが、ディスク化することにとり、クリンチャーでもラテックスの使用が可能になるのです。

ディスクブレーキのネガティブ面

インフラ、工具、機材の買い替えによる出費

この辺りは確かに導入の課題です。

しかし、安全をお金で買うと思えば安いのではないでしょうか。

とはいえ、高いものは高いので、ロードバイクの買い替えタイミングでディスク化を検討されるのが良いかと思います。

メンテナンス性

油圧システム化することにより、エア抜き等の新たなメンテナンスを覚える必要がありますが、普段、自分で自転車いじりをされている方なら、特に問題ないレベルかと。

逆に、ワイヤーのような劣化が無いためよっぽどストレスフリーではないでしょうか。

重量増

回転体の重量はその重量そのものよりも慣性モーメント(回転の重さ)で語るべきだと考えています。

イナーシャは半径の2乗で重くなります。

単にブレーキシステムの重量増ではなく、ホイール&ブレーキシステムとして、イナーシャがどう変化するのか?

ここに触れている雑誌や情報サイトは全然見かけません。

リムブレーキからディスクブレーキになることでリムは軽量化され、ディスク分の質量は重くなりますが、半径の大きいリム外周部の軽量化分のイナーシャへの影響がディスクのイナーシャ増加分を打ち消すと私は考えています。

どなたか3D-CADでサクッと計算していただけないでしょうか?

レース機材としての汎用性

JPTレース等でのトラブル時のホイール交換等を考えると、どうしても現状のインフラではディスク化に踏み切れないのは理解できますが、そういった方達はごく一部だと思っています。

また、スポンサーからの機材供給がありますので、契約内容に違反のないレベルでプライベート用と使い分けるのが良いのではないでしょうか。

まとめ

乗り物に必要な、走る・曲がる・止まるの機能で、ロードバイクの止まるに関するシステム(リムブレーキ)は実は不安定で安全性に欠けるものなのです。

もちろん、ユーザー側が使い方に気を利かせてあげることで回避ができますし、普段リムブレーキで困らないのも事実です。

趣味の乗り物なのでそれでもいいかもしれません。でも、それって安全を考えたらどうなの?という話です。

とはいえ、ディスク化もなかなか金銭面でハードルが高いので普及しづらいのも事実です。

ディスク化に踏み切れないそんな方には・・・

雨でも制動力が落ちづらい特殊処理が施されたアルミ最軽量クラスのホイール、MAVICのエグザリットリムやカンパのシャマルミレ、フルクラムのレーシングゼロナイトが落としどころになるのではないでしょうか。

私の愛用ホイールもキシリウムSLR(エグザリットリム)とシャマルミレです。

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